ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックスの感想「可愛い物好きヨンド

本作も音楽が素晴らしかった「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」。
サントラがヒットしたことでも話題になりましたが、なんといっても二作目でありながら超絶面白いという点が高評価の決め手ね。だいたいトーンダウンしてるからニ作目って面白くないからね。
一作目がヒットしたことで勢いづいて、キャラ増やしてストーリーがそっちのけになってたりするんだけど、本作のリミックスは増えたキャラもしっかり描かれていましたし、それぞれの見所や深みの描写もありました。
とくにヨンドゥね。前作ではピーターを誘拐した育ての親というポジションで、


それほどかかわってきませんでしたが、リミックスではかなり濃い見せ場があります。
涙なしには観ることが出来ない、産みの親より育ての親。ずっと欲していた父親という存在はすでに自分の近くにあったんだと、ラストでピーターは気付きます。
人生なんて、だいたいこんなもんだと思う。他人が羨ましくて、自分が持っていないものが欲しくて、でも人生中盤に差し掛かると人より明らかに持っていないものが多いんだけど、それでもあまり不満や渇望した気持ちを感じなくなりました。
諦めてるわけではないけれど、今の自分にとっての良い方向性を冷静に考えられるようになったのかもしれません。
ヨンドゥとピーターの関係性を見ていたら、そんな風に人生について大事なものに思考が巡らされました。ちなみにヨンドゥはメリー・ポピンズだったそうです。メリー・ポピンズ知らないからよくわからないけど、ヨンドゥがとても楽しそうでしたよ。
さらにエゴね。自分だけの思考に取りつかれた結果、自分以外の生物の破壊を計画するようになったエゴ。自分の主張を他人に押し付ける人を「それはエゴだ」と批判すようなセリフがありますが、まさしくカート・ラッセルが演じたピーターの父親はエゴそのもの。
しっかし、カートさんは一癖ある役をすんなり演じるね。「デス・プルーフinグラインドハウス」でもヤバイ人でしたが、あれもかなり癖ありまくりだったし。
それにしてもピーター・クイル役のクリス・プラット、確実に太ったね。体型の幅が広がっています。
そんなピーターの声優さんは山寺宏一さんです。山寺さんはとても演技の幅が広くて素晴らしい声優さんですが、ピーターを演じるには声がおっさん過ぎると感じました。もっと若い声優さんが良かったな。
その点、ガモーラの朴ろ美さんやドラックスの楠見尚己さんはよく合っていたと思います。ピッタリ。あとはヨンドゥの立木文彦さんね。立木さんの声を聞くと、銀魂のマダオが頭の中を駆け巡ります。
ロケットの加藤さんは私の中では問題外です。ベビーグルートはそもそも吹き替えいらないでしょ。マンティス役の秋元才加さんはあんまり違和感なかったです。
マンティスは本作から登場したキャラクターですが、ドラックスと不思議な絆を築いています。それにしてもドラックスはなんであんなにマンティスを不細工呼ばわりするのでしょう。
本作はピーターとお父ちゃん、ガモーラとネビュラ姉妹も絆を深めていきます。ネビュラはね、お姉ちゃんが欲しかったんだよ。でもガモーラは超鈍感なのでネビュラのそういう気持ちに全く気付かなかったんだよ。
ガモーラって、前作でもノバ帝国の人たちを助けようとしたりしてるくせに、肝心の身内には全くの無関心だったのかね。
ここでも大事なのは身近にいる存在だと気付いたパターンよね。そして一度本音を語った後のネビュラは献身的にガモーラを支えています。ネビュラええ子や。
ラストバトルでガモーラが底に落ちたとき、ネビュラはお姉ちゃんを助けるために一緒に落ちたのかな? それともたまたまガモーラのあとで落ちたのかな?
ガモーラが落ちたとき、全体が映ったシーンではすでにネビュラがいなかったのでどちらかはわかりませんでした。
でも多分、ガモーラを助けるために落ちたんだと思うな。ラストでガモーラは謝っていましたが、結局ネビュラは一人でどっかいっちゃってました。
今回はヨンドゥとベビーグルートが私の中の主役でした。オープニングから音楽をかけて楽しそうに踊るベビーグルートですが、ドラックスの前では動きが止まります。
前作のラストでも鉢植えの中で踊りかけてるグルートが、ドラックスの視線に気付いて動きを止めるシーンがありました。ドラックスって音楽キライみたいだね。
このノリノリのベビーグルートがかわいくてかわいくて、ひたすら鼻血が噴出しそうになります。
この可愛さは汚いおっさんでさえメロメロです。反乱起こしたヨンドゥの部下に捕まって、囲まれて囃し立てられる場面では、ラヴェジャーズの制服(手作り?)を着せられています。
このときにおっさんの一人に「愛しいシト」呼ばわりされてましたね。この言葉は「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラムのセリフです。なんでゴラムのセリフなのかはわかりませんが、それだけベビーグルートが可愛くて愛しいということね、きっと。
このときにね、おっさんからお酒をぶっかけられてしょんぼりしながらロケットとヨンドゥのところへ向かうのですが、この姿も可愛くてかわいくて身悶えしてしまいそうになります。
またこのシーンはかなり面白く仕上がっていますよ。ヨンドゥが自分の頭に付けてるフィンを取ってきてって頼むのですが、フィンが何か分からないベビーグルートはいろいろな間違っているものを持ってきます。
ヨンドゥのパンツだったり机だったり、指だったり。指のときはロケットが「これは見なかったことに…」とかいってるので、ベビーグルートったら、誰かの指切断しちゃったのでしょうか。
で、結局ヨンドゥに反旗を起こしたけど、そんなつもりじゃなかったヨンドゥの部下の一人であるクラグリンがフィンとベビーグルートを連れて手助けにきます。
クラグリンはピーターばかり特別扱いするヨンドゥに自分を見て欲しかったんだよね。ほんのちょっとしたヤキモチから反乱しちゃったけど、「仲間はみんな死んじゃった…」と悲しそうにしています。
ヨンドゥ派の船員たちは宇宙の藻屑になってしまったのよね。このシーン、かなりエグイです。
何も出来ないまま、自分を慕ってくれている部下を助けられなかったヨンドゥは辛かったよね。でも最後はやっとまともなことが出来たと満足してるかもしれません。
ロケットとの、お互い似たもの同士だと理解しあった場面も良かったね。だからロケットはヨンドゥの最期をラヴェジャーズに知らせたんだろね。
ヨンドゥがね、ロケットに「オレにとってラヴェジャーズの船長たちは家族だった」というシーンがあるのですが、ここであの頃の自分たちは今のお前たちのようだったと語ります。
となると、今のガーディアンズたちがぞれぞれ船を持ってキャプテンになったりしたら、今のラヴェジャーズのようになるのかなと妄想してみたり。そうなるとロケットがヨンドゥのようなことして追放されて歴史は繰り返す、みたいな想像が捗ります。
そしてヨンドゥの意志を理解したラヴェジャーズもまた、ヨンドゥの気持ちに寄り添います。
ヨンドゥがピーターに、「自分みたいなろくでなしがいい息子を持てたぜ」というシーンでは涙が止まらないです。そのままの流れでラヴェジャーズのお葬式が行われるので、号泣しまくりで鼻水も止まりません。鼻かんだティッシュの山ができました。
あとヨンドゥって、可愛い小物好きだよね。前作でもノバ帝国で戦闘機に乗ったとき、キラキラした小物や人形を操舵席の周りに置いてたし、撃墜されたらそれをきちんと拾ってたし。
もしかして、前作でピーターがオーブの中身をすり替えたとき、可愛いお人形が入っていたのですが、あのとき笑ってたのは普通に「かわいいー」とか思ってたのでしょうか。
実際にヨンドゥの葬儀では彼の周りにこのお人形もありましたし、キラキラの小物もあったのですよ。
宇宙でも火葬が出来るんだってことに感動。キラキラした破片になって宇宙間に漂うヨンドゥのカケラを見ていると、これからも宇宙でピーターに寄り添うのかなと感じました。
今回はエンディング後のシーンが5つあった。

  • クラグリンがヨンドゥの矢をドラックスに誤ってぶっ差すシーン
  • ラヴェジャーズが一致団結するシーン
  • 金ぴかアイーシャがアダムで復讐を誓うシーン
  • 思春期のグルートが引きこもりになっているシーン
  • スタン・リーが宇宙で置き去りにされるシーン

このラヴェジャーズのトップね、シルヴェスター・スタローンなんだよね。さらにラストで出てくるメンバーにヴィング・レイムスとミシェル・ヨーがいるのよ。
ヴィング・レイムスは「ミッション:インポッシブル」シリーズに出ていて、ミシェル・ヨーは「グリーン・デスティニー」の人。
そして思春期グルートですよ。枝をバサバサしながらゲームばかりしてピーターに怒られています。ピーターは「ヨンドゥも苦労したな」とかいっているところをみると、ピーターの思春期もあんな感じだったのかな。
スタン・リーはこれまでのMCUシリーズでの役柄はすべて同一人物で、世界を観察するウォッチャーだったということが本作で明かされました。
エンディングロールの役名のところに、「Watcher Informant」と表示されています。スタン・リーには長生きしてもらって、ずっとMUCシリーズを観察し続けてほしいです。
本作もとにかく音楽とのマッチ力が凄まじかったね。オープニングのベビーグルートが戦闘中に踊りながらのシーンや、ロケットがヨンドゥの部下たちを翻弄するシーン、それにエゴの星での金色集団との戦闘シーン。
さらにヨンドゥの葬儀のシーンで流れる音楽はピーターとヨンドゥとの関係をよく表した歌詞だったと思います。
他にもいろいろと印象に残ったシーンだや気になるネタがいっぱいあり、楽しく泣き笑いしながら観賞しました。

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