相変わらずオーランド・ブルームに激ハマリ中なので、オーリー目当てで「ケープタウン」を鑑賞。
思いのほかテーマが重くてズッシリきてますが、冒頭からオーリーの尻が拝めて満足、ありがたや。オーリーがすっぽんぽんで現れると、ケイティ・ペリーと一緒にパパラッチされてフルのチンをさらけ出したゴシップニュースを思い出しました。
で、この映画って2013年の作品なんだよね。2013年といえばホビットの一作目が公開された年でございます。
さすがにロード・オブ・ザ・リングの頃の透明感は失くしていましたが、ホビットでも十分にエルフの王子として存在感を放っていたオーリー。
そのレゴラスを演じている同時期に、このケープタウンではクズの刑事として十二分に存在感を発揮しております。
もうね、本当は好きだとかいいながらけっこう見くびってたの、ごめんねオーリー。だってね、実際ロード・オブ・ザ・リングで話題になってパイレーツ・オブ・カリビアンでどっかーんってハリウッドだけじゃなく日本でも人気出たでしょ。
だからなんとなくアイドル俳優のイメージがあったんだけど、この役ではダブル主演のフォレスト・ウィテカーにも負けないくらいの厚みが感じられました。
オーリーはこの映画では女好きのクズで、車を運転しながら酒飲むわ、家捜ししてた自分の息子を泥棒と間違えてフルチンで銃向けるわ、もう散々なクズっぷり。
しかも自分の息子との会話がまさにゲスの極み! 息子「(女物の下着を掴んで)名前は知ってるの?」→父「(名前は知らんが)ケツは最高だぜ!」。もういろいろと噛み合ってません。お父やんは女のケツに夢中だし、息子はそんな父親に懐くはずもないし。
反対にフォレスト・ウィテカー演じるアリ・ソケーラは品行方正で、過去、人種差別問題に直面しておきながら、今は「許すことが大事だ」と寛大な言葉で真面目に生きているのですよ。
で、オーリー演じるブライアン・エプキンは、自分の父親の白人至上主義に反抗していたような描写があります。
白人であるブライアンと黒人であるアリ、差別が許せない白人と過去を許そうとする黒人、様々なことが正反対ですが、アリはブライアンを優秀な刑事だといいます。
個人的にも友人同士の付き合いがあるニ人は、女の子が被害に遭った殺人事件の捜査を開始。その事件を追いかけるうちに新種のドラッグの存在が浮き彫りになり、その背景にはかつて黒人だけを抹殺しようと企んでいた集団の存在があったのです。
現在でも新薬の開発のために、黒人の子供たちを実験材料として軽く扱います。その薬で小遣い稼ぎをしようとしたギャングの下っ端がセックスのためにその薬を使ったら、使い過ぎて女の子がおかしくなったので殴りまくったら死んじゃったと。
これが事件の発端ね。でも捜査を進めるうちにアリのママが悪の組織に殺されちゃうの。
もうね、アリは何度もママに「無理しちゃダメだよ」っていってるのに、年寄りの冷や水パワーをフルに発揮して事件に巻き込まれるの。
映画見ててこういうポジションの人って絶対いるけど、本気でむかつく私は心の狭い人間です。でもこういう人がいるからストーリーは進んでいくのですが。
ママが犠牲になりぶち切れたアリは、ショットガン片手に悪の組織に一人で立ち向かいます。そんなアリを追ってきたのが別の集団に襲われてたのを切り抜けてきたブライアン。
クズのブライアンが「復讐ダメ、ゼッタイ!」とマトモなセリフいうんですが、アリのパンチ一発でダウンして止められません。
結局アリはショットガンでガンガン敵を粉砕していくのですが(このシーンは爽快)、最後にひとり残った悪の科学者が砂漠に逃げ出します。でももう年寄りだし、あんまり走れないし、疲れたし、という感じでヨロヨロ歩きながら逃げる悪の科学者。
そのあとを走るでもなく、暴言吐くでもないアリが無表情で淡々と追いかけていくのです。……怖い。そして、最終的に捕まってアリにボコボコにされて悪の科学者はお亡くなりになります、なむー。
ただ、その前にアリも怪我してたの。だから追いかけるうちに傷口が開いて大量の血を流して息絶えてしまいます。この現場に駆けつけたブライアンの表情にグッときます。字幕では「やぁ、アリ」ですが、私の耳には「イェーボバ」って聞こえたんですわ。
なんて言ったのかわからなかったけど、amazonのレビューで博識な方が解説していらっしゃいました。セリフは「Yebo,baba」、ズールー語で尊敬の気持ちを込めた「良き老人」という意味なのだそうです。
この「ケープタウン」の原作は「ZULU」といい、南アフリカ最大の戦闘民族ズールー族のことを指しています。アリもズールー民族です。他にもズールー人が出てきます。
ブライアンが尊敬の気持ちを込めて「Yebo,baba」と呼んだアリ、すでに事切れていたと気付くシーンでは涙が出そうになりました。