前作の「アイスマン」、けっこう面白かったんだよね。でも本作はさまざまなトラブルの上でやっと形になったという、いわくつきの作品。ある意味、楽しみといえば楽しみだったんだけど、前作の勢いが鼻っ柱折られた感じで映画冒頭からドニーさんのナレーションに乗って淡々と進んでいきます。
というか、物語があっさり展開するのでナレーションで補完しないと分からないのですよ。前作でドニーさん行方不明⇒ヤムヤム実は兄貴だった⇒とりあえずみんな合流して明の時代に帰ろうぜ⇒あ、でもヒロインにちょっと挨拶してくるわ、という前作からの繋がりをあっさり5分くらいで展開された気がする。なもんで拍子抜けというか、冒頭からすでについていけない状態。
う~ん、ヤムヤムは何がしたかったの? ドニーさんを明の時代で陥れたのは分かったけど、ドニーさんを宮殿に呼び寄せて「装置を起動させろ!」って、あんた現代で呪文聞いたでしょうに。私でも覚えられそうな簡単な呪文を忘れたのかよ。
そして起動させて何するつもりだったんだろ? 「世界はオレのものだー」とか悪い顔してたけど、ほんと、何したかったの? ちなみに最近、ヤムヤムが男に刺されるという事件があったのよ。命に別状はないとのことだけど、大丈夫かな。
ドニーさんもよくわからないわ。自分の濡れ衣を晴らして村を救わないといけないのに、とくになんにもしないし。村と自分の危機に対処しないといけない状態でふわふわ三角関係になってるし。でも幼馴染の女の子かわいかった。メイとの関係も好きなんだよね。恋人というよりも兄妹みたいな雰囲気でほんわかする。
ドニーさんは女性と一緒にいても全然エロくならないよね。すっごく爽やか。これがトニーさんだったら一緒に画面に映る女性とはすべて何かが起こるのではないかと思わせられるエロさをお持ちだよね。あの破壊的なエロさはどこからくるのでしょう。カリーナ冷や冷やしないのかな。
あと倉田さんね。もうかなりのご高齢にもかかわらずアクション頑張っておられました。私、この倉田さんをあまり存じ上げないのですが、アクション監督の谷垣さんが著書で「とにかくすごいよ!」って紹介されてた人なので、とにかく凄い方なのでしょう!
そんな凄い方ですが、よくわからない時空の隙間のような場所で、ラスト馬に乗ってやってきたドニーさんに首をスパッとやられてました。もうストーリーとかめちゃくちゃだわ。でもタイムトラベル装置に囲まれた列車でのバトルシーンは近未来感があってカッコよかった。
それからヤムヤムがね、「江戸幕府」ってセリフがあったのよ。そして倉田さんも北条将軍って呼ばれてて。なんだろね? 江戸幕府のころって、北条家なにしてたんだろね? ま、そこらへんはファンタジーなんでしょう。あとは抗日の描写がチラホラあったね。日本人としては抗日描写があると悲しくなっちゃうね。
結局、ドニーさんが長髪から短髪になったシーンが一番テンション上がったという。だってめっちゃ男前度が上がったのよ。長髪だともっさり感があるからドニーさんはやっぱり短髪よね。でもそのシーンって冒頭なのよ。だからそれからずっとカオスな展開を見せられてて……。
ラストもどうなったのかわからない。右を選んだから次は左の物語があるのかなと思ったけど、未来は変えられないということなのかな。サッパリだわ。