るろうに剣心 伝説の最期編の感想「蒼紫がずっと蚊帳の外だった」

前編に引き続き鑑賞。本作では蒼紫の扱いに困っていたのかしら、と思わせられるほど蒼紫がずっと蚊帳の外でした。蒼紫なのに。
前作ではそれでもじじぃとのタイマンバトルという見どころがあったんだけど、本作では周り中「それどころじゃないってば」という感じなのに相変わらず「ばっとぅさぁ~い」って絶叫してるし。
1人だけ違う次元で生きているのかしらね。蒼紫自体はすごく素敵でカッコいいキャラなのに、最後までなんだかなぁ~という気持ちに。
それから前後編に分けるとどうしても冗長感があるよね。冒頭はちょっと退屈してきちゃった。


剣心の葛藤とか師匠との邂逅とか良いシチュエーションだと思うんだけど(福山さんだし)、なんだかだる~ってなっちゃう。
どうしても原作があると「どこからどこまで入れるか」ってのがあるからね。1作目で蒼紫を出さなかったから出さないといけなかっただろうし。
そうなるとなんだか宙ぶらりんな立ち位置になってしまうという。なのでラストバトルにいきなり登場した蒼紫の無理やり感よ。あのバトルはすっごくカッコよかったし迫力あったんだけどね。
そういう意味でいえば江口さんの斎藤一は1作目からずっとブレない立ち位置よね。なんだかんだで剣心以外で全編通してまんべんなく出てるし。けっこうおいしい役どころだわ。
斎藤一のあの構えね。漫画でもアニメでもカッコよかったけど実写でもすっごくキマってるし素敵だった。江口さんは若いころからずっと安定して活躍してるよね。デビューのころ「湘南爆走族」って映画でブイブイしてたことを覚えているのはアラフォー世代よ。
で、高野さんよ。脇キャラの中で一番いい死に方してたわ。「だれかがやらなければ」って。そして斎藤に「ご苦労だった」っていわれるの。泣いちゃう。すっごくいいシーン。
あんな風に「だれかがやらなければいけない」という思いを抱えていた侍たちがあの時代にたくさんいたんだろうね。でもその時代に取り残されてしまった侍たちもいて。
なにが正義とかって時代によって変わるから、時代の流れに乗れる器用さを持っていた人たちが明治政府の立役者といわれる立場にあるのでしょう。
現代でもめまぐるしくIT化が進んでて、少しづつだけど弱者が声を上げられる時代にもなってきてて、そんな時代の変化に気づけない人たちが老害なのかなって。
そういう人たちを見て思うのは自分はああならないように気をつけようという思い。もう若い世代からは老害といわれる年代だから本当に気をつけないと時代に取り残されてしまう。
あとは志々雄つよすぎ。剣心や左之、斎藤に蒼紫と4人がかりでも動じない。珍しく斎藤がボロボロになってたとこが良かったね。でも左之って硬いわ。あれほどの打撃をくらって最後は剣心を支えながら船から脱出してたし。どんだけ硬いんだよ。
ま、本作はちょっと冗長感あったけど、アクションは回を重ねるごとにパワーアップしてたし楽しかったです。でも撮影は本当に大変だったと思う。神木くんもスピードすごかったし、佐藤健くんも多勢を相手に刀を振り回すってかなり危険だと思うし。本当にご苦労さまです。
ただね、十本刀が地味だったわ。宗次郎や由美、それに笑えるほど原作に忠実な方治とかは良いキャラだったけど、ほかはたいして活躍もせずスポットライトも当たらず、名前の紹介さえないし。あ、前作で刀集めてた人はけっこう見どころあったけど。
とりあえず久しぶりにるろうに剣心の実写3作品を観直してみて、やっぱりるろ剣は面白いな~って思いました。新作の公開が今から楽しみです。

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