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ラストナイト・イン・ソーホー「ネクタイ外しながら近寄ってくるシーンの嫌悪感すさまじい」

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公開されたときに性暴力の描写があるってことで、twitterで注意喚起が鑑賞済みの人から起こった作品。

ただ、直接的な性暴力の描写はなかったです。けど、ネクタイ外しながらおっさんたちが迫ってくるのはかなり嫌悪感と恐怖感がある。

前半のサンディ(アニャちゃん)がすてきな場所でイケメンと出会って夢に向かって羽ばたこうとするところから、どんどんやさぐれていくのはけっこうメンタルえぐられる。

最後にいたところなんて、表向きはバーだけどもろ娼館だもんね。

サンディも化粧が濃くなって衣装の露出が増えて下品になってるし。

サンディの時代を体験しているエロイーズ(トーマシンちゃん)と同じ目線で映画を観られるから「いやぁぁぁぁ、サンディにげてぇぇぇぇぇ」って思わず叫んじゃう。

で、前半は性暴力のトラウマとホラーを掛け合わせてすさまじい嫌悪感を生み出しておきながら、途中からお化けてんこもりの描写は海外のホラーだなって感じ。

死霊館とか観てていつも思うんだけど、前半はしっとりと恐怖感あおっておきながら、後半は肉弾戦に持ち込むのよね。あれ定番の流れなんだろうか。

顔の見えないお化けが豪快にエロイーズにまとまわりつきまくり。前半の雰囲気が吹っ飛んだわ。

しかもサンディは生きてて、自分を壊した男たちにきっちり落とし前つけてたのは良かったね。ざまーみろ。でもサンディは壊れたままなので救われない。

唯一の救いは60年代にも現代にも女の子たちを気にかけてくれた刑事さんがいたことかな。

結局は救えなかったんだけど(60年代の刑事はサンディを、現代の刑事はエロイーズを)、それでも誰かが気にかけてくれるってとても大事なことだと思う。

60年代の刑事は現代にも登場して、ジャック(サンディを食い物にした女衒)なんじゃないかってミスリード役で、エロイーズに誤解されて車にはねられてたけど。

そういやこの刑事ってどうなったのかわからないままだったけど、生きてるのかな。

ラストでショーを成功させたエロイーズが清々しい表情してたからたぶん生きてると思う。自分のせいで人が死んでたらあんな明るい表情しないはず。

なんとなくこの刑事はサンディが男たちを殺してるってこと気付いていたような気がする。「彼女を探した」ってセリフのあとに、「でも探されたくなかっただろう」って言ってたし。

この60年代の刑事がテレンス・スタンプさん、そして大家さん(現代のサンディ)がダイアナ・リグさん、エロイーズのおばあちゃんがリタ・トゥシンハムさん。

この3人を起用したのは60年代のアイコン的な存在だったからって、Blu-rayの特典映像でエドガー・ライト監督が話してたのね。

その監督のインタビュー映像で、ダイアナさんを再現したカフェ・ド・パリ(サンディとエロイーズが初めて出会う場所)に招待したんだって。

そのときにダイアナさんが「18歳の誕生日をカフェ・ド・パリで過ごした」って言ってたって。

それで階段を降りたときに男たちになめるような視線を向けられたってさ。それ劇中でサンディも同じ目に遭ってるのね。

あとリタさんにも、監督が60年代のこと知りたくて「60年代はどうだった?」って聞いたら難しい表情浮かべてたって。

リタさんもダイアナさんも監督が60年代のアイコン的存在って言ってたぐらいだから成功した人なんだろうけど、成功できなかった人もたくさん見てて、やっぱりサンディみたいな女の子たちもたくさんいたんだろうなって感じた。

ちなみにダイアナさんは2020年の9月に、チョイ役で出てたマーガレット・ノーランさんという方は2020年10月にお亡くなりになっているそうです。

参考:英女優ダイアナ・リグさん死去、82歳 「おしゃれ(秘)探偵」など出演

マーガレットさんはたぶん最後のバーにいた人だと思う。お二人ともこの映画が最後の出演作品だったそう。完成した映画観られたかなぁ。合掌。

参考:『007/ゴールドフィンガー』OP美女マーガレット・ノーランさん死去

あと、ホラー映画にありがちなひとりだけお化け見えてわちゃわちゃする描写なんだけど、どうもわたしこの描写苦手で……。

こういうシチュエーションになるともう主人公目線じゃなくて、ただやばい人を見せられているだけなので妙に落ち着かなくなります。

ラスト、なぜかジャックの幽霊にビンタされる大家さんってシーンがあったんだけど、このシーンいるのかな。別にジャックの幽霊は出てこなくてもよかったような。

ジャックなんてサンディを食い物にしたあげくに殺そうとしたんだから返り討ちにあっても自業自得じゃん。なんでしれっと幽霊おっさんズと出てきてサンディを責めるのさ。ばーか。

そんで若い頃のサンディの姿になって、エロイーズに「あなたにわたしは救えない!」ってエロイーズを部屋から追い出してサンディはひとりで火事の中に。

その後、ショーを成功させたエロイーズの元に若い頃の姿でサンディが登場してたのはエロイーズを見守ってくれてるってことなのかな。ちょっとよくわからんかった。

人によってはメンタルえぐられると思うけど映像はとても美しくて、特にサンディがジャックとカフェ・ド・パリでダンスするシーンは見終わったあとにもう一度ここだけ再生するほどすてきなシーンでした。

あと、特典映像で監督も言ってたけど、アニャちゃんってどの年代でもスターになれるって。ほんとにそうだと思う。アニャちゃんのサンディすごくスターだった。もちろんトーマシンちゃんもすごくかわいかったです。

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