3月14日に宝田明さんがお亡くなりになったとニュースで流れたとき、初代ゴジラに出演されておられたことを知りました。戦争体験者だからこそのエピソードも読ませていただき、当たり前だけど「戦争あかん」と強く思いました。
ソ連兵に撃たれた「ダムダム弾」の痛みは今も――宝田明85歳、戦争体験とゴジラに込めた平和への願い – Yahoo!ニュース
そして、せっかくなので1954年のゴジラも鑑賞しようという流れで。
人間ドラマと怪獣パートがとてもバランス良く作られた作品で、すっごくおもしろかったです。68年前の作品なので、知っている人はいないと思っていたところ、菅井きんさんが登場して「あ、むこ殿の人だ」と、昔の知り合いを見つけたような懐かしさを覚えましたわよ。
菅井きんさんもちろんお若いけれど、面影があってすぐにわかった。でも、宝田さんは「この人が主役だから多分この人が宝田さんなんだろう」って感じで、わたしには面影をみつけられなかった。
お年を召された宝田さんもダンディで素敵だけど、若いころの宝田さんはまた印象が違うイケメンですわよ。
その宝田さんと見つめ合ってもあんまり身長差がないように感じたから、きっとヒロインの人も高身長なんだろうって思って調べたら河内桃子さん、170cmとのこと。この時代の女性でこれだけ大きかったからかなり目立っただろうね。
昔の邦画って、すごく言葉がきれいなんだよね。そこ好き。喧嘩しててもお上品というか、品の良さが感じられます。今こんなふうに美しい日本語を話す人あんまりいないんじゃないかな。
で、芹沢博士よ。わたしの初・芹沢博士は渡辺謙さんだけど、元祖・芹沢博士は平田昭彦さん。眼帯しててちょっと気難しい雰囲気を漂わせながら、やっぱり命を散らせてしまうのよ。
でもそれは恐ろしい兵器を作ってしまったことで、絶対に悪用されてはいけない、けれどゴジラも倒さないといけないという苦渋の決断のもと、設計図を知っている自分ごと海の底に沈んでしまわれたのです。
あぁぁぁぁぁ、芹沢博士ぇぇぇぇ。自分に課せられた大きな責任を、自らの命を散らすことで全うされた芹沢博士ぇぇぇ。あぁぁぁ、泣いてしまう。
でもオキシジェン・デストロイヤーってネーミングセンスは素敵です! いつか言いたい「オキシジェン・デストロイヤー!」って!
鉄塔から報道してた人もね、「みなさんこれで最後です、さようなら、さようなら」って、今まさに自分の目の前にゴジラが迫ってるのにずっと実況してるのよ。それが自分の使命だと思ってたんだろうね。
真実を追究する姿勢こそ報道の在り方ですよ。わかってるのかNHKよ! 政府に忖度してんじゃねぇよ! あと受信料たっけぇんだよ!
ゴジラが街を破壊していくシーンも迫力よ。でも戦闘機から攻撃されて腕をバタバタさせているところはかわいかった。これは中に人が入っているからこその動きだわ。
初めて姿を現したときも山からひょっこり顔だけ出すのね。そこもなんかかわいらしかった。で、初代ゴジラはビームじゃなくて、煙のようなものを吐いて街を燃やしてた。あれなんだろ。背びれはこの頃から光ってた。
壊れていく街と人間が重なった描写って、どう撮ってたんだろう。ミニチュアの模型を使ってるのはわかったけど、けっこうクオリティ高いと思ったよ。
あとゴジラってのが、大戸島に昔から伝わってきていた伝説のUMA的な存在という設定だった。その伝説にちなんでゴジラって呼ばれるようになってた。
あの音楽も良かった。68年経っても作品で使われる音楽ってすごいな。むしろ現代のハリウッド作品よりも迫力あったよ。
初代ゴジラ、すっごくおもしろかったです。ちょっとずつでもシリーズ観ていこうっと。