エージェント・カーター/シーズン1のエピソード1「キャプテン・アメリカの恋人」です。二回目の鑑賞ですが、ほとんど内容を忘れていたので初見並みに楽しめました。キャプテンアメリカの恋人、ペギー・カーターを主役にしたスピンオフドラマの第一話。
この回ではキャップとの別れのシーンが(ファースト・アベンジャーのラストシーンね)何度も流れてきて、この場面を観ただけでも悲しくなります。キャップは大好きなので、この二人には結ばれてほしかったですね。
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ペギー役は「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」から引き続きヘイリー・アトウェルが演じています。私はこの女優さん、ファースト・アベンジャーの映画で初めて知ったのですが、なんか色々な賞にノミネートされている方のようです。
そのペギーの相棒を務めるのがジェームズ・ダーシー(役名:エドウィン・ジャービス)、ハワード・カーターの執事であり、スタークの人工知能J.A.R.V.I.S.の元になった人。
この人ベネディクト・カンバーバッチに似ているなぁって思いながら見ていました。ちなみにベネディクトは同じ世界観を共有するMCUシリーズの「ドクター・ストレンジ」で魔法使いの役をしています。
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そして、ペギーの上司役にシェー・ウィガム(役名:ロジャー・ドゥーリー)、ワイルド・スピードシリーズのMAXとEURO MISSIONに出ていたマイケル・スタジアック捜査官です。ブライアンにぶん殴られて鼻折ってた人ね。
イヤミな同僚にチャド・マイケル・マーレイ(役名:ジャック・トンプソン)、ほんとに嫌なヤツだけどイケメン。なんか悔しい。イケメンだけど嫌なヤツって存在自体がムカつく。
ペギーを気遣う優しい同僚はエンヴェア・ジョカイ(役名:ダニエル・スーザ)、戦争で足を負傷して杖をついているエージェントです。
最初見たとき、このダニエルがペギーの旦那なのかなと思ったけど、シーズン1ではまだペギーの結婚は描かれていなかったですね。このエンヴェア・ジョカイは映画「アベンジャーズ」でも警官役で出演していたみたいですが、ちょっと確認できていません。
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この物語はキャップがいなくなって戦争が終わり、自分の居場所を求めていたペギーの奮闘が描かれています。優秀なエージェントでありながら女だからとろくに仕事もさせてもらえない現状に悩んでいるペギー。
現代でも女性蔑視の社会ですから、1940年代なんてもっとひどかったと思います。同僚たちからはキャップとの関係を冷やかされたり、上司からは電話番だけしていろと言われたりしながらも、ペギーはやりがいのある仕事を求めています。
物語は、ペギーが所属するSSR(シールドの前身組織)でまともな仕事をさせてもらえずに悩んでいた彼女の元に、兵器を密輸した疑いから政府に追われるようになったハワード・スタークが現れるところから始まります。
ちなみにハワード・スターク役も映画と同様ドミニク・クーパーです。映画と同じようにチャラい感じで、政府の公聴会を適当にかわしている様子が描かれています。
ハワード・スタークの若い頃はドミニク・クーパーだけど、年を重ねたら落ち着いた雰囲気のジョン・スラッテリーになるので(アイアンマン一作目では別の人)、イメージがあんまり結びつかない。
しかしハワードは密輸しておらず、自分の発明が盗まれたと主張。汚名を返上するためにペギーを仲間に引き入れます。まともな仕事をさせてもらえなかったペギーは、ハワードの提案に内心胸が躍っていたはず。
ハワードの盗まれた兵器を回収するために、ペギーはあるパーティに潜入しますが、このときにジャービスとのやり取りが笑えます。時間通りに生活するジャービスにイラついている様子のペギー。
「21時には妻と就寝するのでそれ以降は電話をかけないでください」と、丁寧に応対していますが「この仕事は時間外に活動することも必要だ」とペギーは言います。この二人のやり取りが面白くて好きです。
しっかり者で男顔負けの働きをするペギーと、時間を守り家族優先の規則正しいジャービス。そもそもそんな堅物のジャービスがチャラいハワードに執事として仕えていることに驚きです。この二人の出会いも気になるところ。
SSRでペギーが仕入れた情報によると、あるパーティでハワードの兵器情報が取引されることがわかりました。金髪のウィッグにセクシーなドレスを着込み潜入するペギー。
ここでペギーは女を武器に相手を出し抜くのですが、この駆け引きはキャップ大好きな私からしたらとても嫌でしたね。あのキャプテン・アメリカの永遠の恋人には自分を安売りしてほしくないのです。知らん男といきなりキスとかしてほしくない! ……我ながらキモイ感想だわ。
ここで回収する予定だったハワードの兵器はメモに書かれた化学式だったんですが、すでに完成していました。そのためペギーは完成した兵器を持ち去ります。
自宅に戻ったペギーは兵器を不能にしますが、そこへ彼女を追ってきた謎の男にルームメイトが殺されてしまいます。自分が原因で友人を死に追いやったことに自責の念を抱き涙するペギー。
それでも完成した兵器を根絶やしにするため、ペギーは相棒ジャービスと共にある工場に潜入します。持ち帰った兵器をスターク・インダストリーズの科学者であるアントン・ヴァンコが調べた結果、ロクソン製油所で作られたことが予想できたのでその場所へ向かったのです。
このアントン・ヴァンコは「アイアンマン2」のヴィランであるイワン・ヴァンコのお父ちゃんですね。
ここでもジャービスとペギーとのやり取りが面白くてとても愉快でした。スパイ経験の全くないジャービスと、スパイとしてしか生きられないペギー。スプーン泥棒を捕まえた経験を話すジャービスに、呆れるペギー。
「けっこう口が悪い泥棒だったのに……」としょんぼりするジャービスが可愛いです。
そのジャービスを置いて単身乗り込むペギーは兵器を作っている現場に遭遇。盗み聞きをしている
ところ、ジャービスから無線が入り「カーターさん」と呼びかけられてペギーピンチ。
しかし持ち前の腕力で切り抜けた彼女は謎の男を追い詰めます。ちなみにペギーのルームメイトを殺した男と、この場で追い詰めた男は首に同じような傷があり、どうやら話せないようです。ボイスチェンジャーのような機械を通して「リヴァイアサンがやってくる」と言います。
兵器をひとつ落として逃げ出す男。ペギーもジャービスに無線で迎えに来るように伝えて走ります、「迎えにきて」→「もちろんです、何分後に?」→「そうね、20秒後に」という流れで。
車を発進させて工場に突進するジャービスは警備の男たちから発砲されます。「早くきて」と無線が入りますが「私、今撃たれているんですけど!」と逆ギレのように返すジャービスが面白い。
なんとか爆発から逃げ切ったペギーとジャービスは、いつもの密会場所であるカフェで話しています。初めてのスリルな体験に興奮しているジャービス、「妻には話せない」とドキドキしている彼がとても可愛い。
このカフェにはペギーの友達が勤めているのですが、彼女はいつも嫌な常連客に嫌がらせをされています。
ここでも女性蔑視の表現がありますね。メシがまずいだのほかに役立つことがあるだの言いながら彼女のお尻を叩いているシーンは見ていて胸糞悪くなります。
だから次の場面で、ペギーがホークを胸に突き立てながら「ここは動脈よ、突き刺したら90秒で死ぬわ」と笑顔で脅して去ります。あー、スッキリ。見下しながらも女を性の対象として見ている男は滅びてしまえばいいのに。
突然笑顔でチップを置いて去ろうとするイヤミな常連客の態度に不思議そうにする友人。この友人はリンジー・フォンセカ(役名:アンジー・マルティネリ)、女優志望のウエイトレスを演じています。
リンジー・フォンセカはキックアスに出演していたみたいですが、まったく覚えていないのでどんな役だったのか記憶にありません。
ラスト、パーティでブロンドの女が密売人と接触していた情報を掴んだSSRは、カメラマンからネガを押収していました。そこには金髪のウィッグを被ったペギーが映っているはずですが、次回どうなるのでしょう。
そしてジャービスはハワードと電話で「彼女は何も気付いていない」と話しており、どうやら彼らには他にも目的があるようなことを示唆しています。