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モリーズ・ゲームの感想「男への対抗心の中には父親への嫌悪と愛情」

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いやぁ、面白かったね。ジェシカ・チャステインの知的で男を寄せ付けないような雰囲気は「女神の見えざる手」に通じるものがある。というか、けっこう共通点多いんだよね。頭の回転の早さとか眠ってないとことかブレない精神力とか。

あと早口で裁判の状況やギャンブルのルールを語られるから字幕追えなくて。実話モノなのでアメリカの経済とかも描かれるんだけど、そういうとこもサッパリだからわからない部分も多くてけっこう難しかった。それでも面白いのはジェシカ・チャステインの魅力だよね。

ジェシカさんね、もうすごいのよ。ただ危うさも感じさせるお方よね。そういう二面性を表現させるとピカイチだわ。しかも色気あって巨乳だから胸の谷間に目がいっちゃう。

あれ、対面してる男性陣は視線をおっぱいにいかせないようにがんばったんじゃないかな。でも本作のモリー(ジェシカ・チャステイン)は男に媚を売らないのよ。そういう表現もジェシカさんにハマってた。

ただね、ああいう世界にいて後ろ盾もなく、つまり男の存在もないといつか排除されるか取り込まれるかになるのは予想できちゃうよね。最終的にモリーもすべてをなくしてしまうし。

マフィアや国に今まで築いたポジションもお金も奪われるのよ。そんな目に遭ってるのにモリーは情報を検察に渡さないのよね。すべて渡せばお金も戻るし刑務所にも入らなくて済むっていわれてるのに、モリーは拒否するの。

モリーのブレない精神の中には「支配する男への抵抗」があったからあれほどの成功を体験できたし、また破滅にも繋がったのかなと思う。

モリーは女の部分を利用しないし、なんなら口説かれると心底ウザそうなの。そんな男たちへの嫌悪感には父親との関係が大きくかかわってるのよね。

最後のほう、父親との邂逅で、根っこにずっと「支配しようとする父親」に対して嫌悪を感じながらも愛されたかったという気持ちをモリーが持っていたことがわかります。

でもギャンブルで身を持ち崩してきた(自分が利用してきた)男たちへの罪悪感もあったから、最終的に自分が投獄されることになっても情報を渡さなかったモリー。情報を渡すことで破滅する人たちを気づかってたのね。

対抗心はあったけれど、そこまで非情にはなれなかったということなんでしょう。あとはソレだけが自分だと語ってたね。利用した人たちをさらに見捨てることは自分を失くしてしまうとモリーは思ってたみたい。

ここですべて投げ出してたら実際のモリーはどうなってたのかなって思ったけど、一時は状況が良くなっても、結局、報復にあっただろうね。

本作では厳しいながらも娘を愛してた父親役にケビン・コスナーと、モリーの弁護士役にイドリス・エルバが出てます。いまだにケビンさんは「ボディガード」のインパクトが残ってるわ。
イドリスさんは落ち着いた上品な雰囲気がある人だけど、今回は娘に厳しくて融通の利かなそうな弁護士さん役でした。
イドリスさんと娘との関係を見てたモリーが自分と父親との関係を思い出していたような雰囲気があってね、そこでモリーの過去が交差していきます。
で、ラストに父親とのかかわり(嫌悪と愛情)から成功に憑り付かれたんだろうって父親との話の中にあって。
そうなると、イドリスさんと娘との関係も心配になるところだけど、最初は弁護を拒否してたイドリスさんが弁護を引き受けた理由は娘に頼まれたからということがラストに明かされて、モリーたちのようにはならないことを示唆してるんだと感じた。
ジェシカさんって女性として魅力ありありなのに、そういう部分を使わない表現がよく似合う。内容が難しいのに惹き込ませる魅力があるのよね。なんだか「女神の見えざる手」がまた観たくなってきた。
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