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IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。の感想「ピエロには悪口で対抗」

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「IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」を観てきました(タイトル長い)。ここ数日のうちに、前作の「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」を観て1990年のオリジナル「IT」を観続けての本作を観賞。

好みでいうと、子ども編は新作、大人編はオリジナルが好き。前作は本当にスタンドバイミー風味があって甘酸っぱくて儚げな青春を楽しめて良かったんだけど、大人編になると、妙な中二設定が加わってて微妙な気持ちになりました。

そもそも冒頭からして胸糞なシーンがあってムカムカしながら始まるし。あ、ちなみにネタバレしてますのでご注意を。

この冒頭シーンね、物語の舞台となるデリーで行なわれてるお祭りの最中、ゲイカップルを見つけたチンピラどもが絡んでいってゲイカップルにリンチくらわすのよ。

これだけでもムカムカしてくるのに、さらにリンチくらったゲイカップルのうち一人がペイーワイズに食われるって。全く救いようがないので非常に不愉快でした。

このシーンいる?と思ってたんだけど、ニュース記事読んでたらあのシーンはペニーワイズを悪とするためには必要だったと監督が語ってました。

しかも、あのチンピラどもには報いが下るとも。それはぜひとも観たいですな。(ディレクターズカット版があるとか)

参考サイト:映画『IT/イット THE END』冒頭の「あのシーン」には“その後”がある – フロントロウ -海外セレブ&海外カルチャー情報を発信

それからこの冒頭で出てきたゲイカップルにぬいぐるみ貰ってた女の子がいるんだけど、この子は顔に大きなアザがあって、それをすごく気にしてるの。

そして、この子に近づくためにペニーワイズが仕掛けた方法が、「自分はこんな顔(ピエロ)だから友達ができないんだ」って女の子の共感を呼び込む方法なのよ。ほんと胸糞だわ。

女の子が「そんなことない、私はあなたを笑わない」ってペニーワイズを慰める描写にはなんともいえない怒りがフツフツとわいてきます。結局、この女の子も被害に遭うしー。

物語はオリジナルと展開はほぼ同じなんだけど、メンバーの絆がオリジナルよりも弱いように見えました。

オリジナルはもっと個人対個人の繋がりがあったし、メンバー全体の仲の良さが子ども・大人ともに感じられた。新作の大人はあまり個人間の繋がりが描かれてなかったのが原因かもね。だって、この人たち思い出探しにほぼ一人でウロウロしてたし。

それから、リーダーであるビル・デンブロウ役のジェームズ・マカヴォイに違和感をずっと覚えてたわ。理由はわからないけど、この人は役に合っていないように感じました。

どうしても、あの繊細な雰囲気の子役(ジェイデン・リーバハー)からマカヴォイさんにイメージが移行しないんだよね。マカヴォイさん繊細さがないもんね、分厚いもんね。

太っちょのベンがイケメンになるのもかなりイメージが違うんだけど、こちらはスムーズに納得できた。他メンバーも違和感なく、あぁ、あの子たちなんだとすんなり理解できたんだけどね。

今回はとくにリッチーに焦点が当てられている描写が多かったと感じるのは、前作であまり背景が描かれてなかったからかも。

リッチーが実はゲイという秘密を抱えているということが示唆されて、その秘密は絶対に誰にも知られたくないみたい。(絶対に知られたくないリッチーの心境を表す意味で冒頭にゲイカップル出てきたのかな)

で、多分リッチーはエディが好きだったんじゃないかな。だから最後の文字を刻んでいる場面で、「R+E」だったんじゃないかな。つまり「リッチーとエディ」という意味なんじゃないかなって。

だって、エディが亡くなったときも、リッチーだけは「まだ生きてる!」ってエディの体に縋ってたし。

エディね、オリジナル通りなら死んじゃうんだろうとは思ってたけど、最初のほうでヘンリー(いじめっ子)にナイフで頬をぶっ刺されてたから、え、もうココで死んじゃうの? ってビックリしたけど、ガーゼ当てただけでそのあと普通に動いてたね。あれけっこう致命傷だと思うんだけど、普通に動いてたからちょっと笑った。

新作のエディはもう毒ママから実質は解放はされてるみたいだったけど、精神的にはまだ縛られてるみたいだった。ママみたいな奥さんいたし。

オリジナルほど悲壮感はなかったけど、やっぱり死んじゃったシーンは悲しかった。さらにリッチーからエディを想ってる雰囲気が伝わってきて涙を誘うよね。

あとね、スタンのシーンもたくさんあって泣いた。子どもスタンが教会で、「今のままでいいんだ」ってハッキリ宣言したときはカッコよかったね。

その場に子どもリッチーもいて拍手してたんだよ。リッチーはスタンに勇気付けられたんじゃないかな。そして大人になったスタンはオリジナルと同様、マイクからの電話に恐怖を覚えて自分の命を消してしまうのです。

それはペニーワイズに立ち向かうには「臆病な自分がいては邪魔」だと思ったからって、最後のスタンの遺書に書かれてました。ここはオリジナルと違うところ。

オリジナルの大人編だとあまりスタンは出てこないままだけど、新作では大人での遺書シーンがあったり、子どもスタンがお化けになったりして活躍してました。

最後の遺書を書くシーンは泣いちゃった。子どもスタンと大人スタンがうまく重なるから、あぁよく似てると思ってさらに涙がジョボジョボ。

あら、感想書いてたらけっこう好きみたい。でも中盤の設定が微妙だったの。

みんなが集まってから、マイクが「ソレ(IT)を倒す方法がある」って先住民族の儀式をするとかいい出すところ。必要なものはみんなの思い出の品だってさ。

思い出の品を集めるため、それぞれ一人ずつになってペニーワイズにわざわざ振り回されにいくという……。なんじゃそら。

危ない展開がきてるのに、みんなのんびり思い出探し始めるんだもん。ま、そこで子どもと大人が入れ替わりながら過去と現在が交差していくのは楽しかったけどね。

で、思い出の品を集めたらペニーワイズの住処に行って燃やす、そして呪文を唱えるという中二設定が行われるのです。

正直、子ども編ならこの設定でも絵的になんとかなったと思うけど、そこそこの中年が集まって燃える炎を囲み「闇がなんたら~光がなんとか~」とか唱えるってかなり寒々しい雰囲気が漂ってましたわ。

ちなみに呪文はすっごく簡単だったんだけど、あまりにも寒かったのでこのシーン半笑いで観てたら呪文忘れた。

ま、最終的にそんな中二儀式はなんの役にも立たず、みんなで恐怖を克服して「アイツを弱いと思わせよう作戦」に移行します。

つまり、寄ってたかってペニーワイズに向かって悪口をいいまくるという展開に。「お前なんかピエロだ!」が悪口になるのかわかりませんが、いわれたペニーワイズはどんどん萎縮して縮んでいきます。

効いてるのかよっと突っ込みたくなりますが、精神攻撃ってバカにできないもんね。想いの力はすごいんですよ。

そして、小さくなったペニーワイズの心臓をつかみ出して、みんなでグシャッと潰して終わり。「お前ら大人になったな~」といいながら死んじゃうペニーワイズが哀れでした。なんだかんだでペニーワイズはみんなと遊びたかったんじゃないかな。

関連記事:IT(1990年)の感想「ピエロは怖くないけど青春風味は楽しい」

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