なんかパッとしなかったなという印象。新旧ガラハッドの共闘シーンは素敵だったけれど、今回は敵ポジションが微妙だったんだよね。役者さんは素晴らしかったのですが、ストーリーがキャラクターを活かしきれていないという感想です。
せっかく良い感じにイカレたジュリアン・ムーア持ってきてたのに、最後はあっけなく薬物の過剰摂取で死んじゃったし。あのシーンはあっさり過ぎる気がします。
麻薬で陰謀の渦を巻き込みまくった女ボスは、やっぱり薬物で身を滅ぼせばいいという感じなのでしょうか。もったいない、ジュリアンの無駄使い。
それにしてもウイスキーの最期はひど過ぎると思うのですが。
過去のトラウマに捕らわれて薬物中毒者がみんな死ねばいいという気持ちになったエピソードを披露しておいて、
ミンチにするなんてひど過ぎます。
私はステイツマンのウィスキーが一番活躍していたと思うんですよ。まぁ、チャールズの元カノには振られてたけど。
ハリーの記憶が戻って、でも本調子じゃなくてチンピラにボコられてたときに縄クルクルして助けてたし。
あの縄技カッコイイよね。クルクルしながら電気ビリビリして切断もできちゃう。格闘シーンでは一番素敵だったし活躍してたと感じました。
それなのに何、あの最期。新旧ガラハッドに共闘されてスコーンとミンチ機械に突っ込まれてあぼんしてるし。あれはひどい。もっと救われるような最期にしてほしかった。
ってかマーリンを殺すんじゃないよ! 何してくれてんだよ! そもそもキングスマン観てたら分かるでしょ。マーリンがいるからキングスマンなんだよ!
せっかくラストバトル前にスーツ着こなして活躍するフラグ見せておきながら、美声(カントリーロード)を発しながら爆破って! あんまりだよ!
マーリンがいたからハリーも安心して仕事が出来たし、エグジーだってマーリンのおかげで立派なキングスマンになれたのに!
次回作が作られるとしても、マーリンがいないキングスマンって悲しい。それにしても冒頭でロキシーやJB、他のキングスマンたちが死に過ぎだし。JB…。
あとは何気に前回の王女と続いてたのはびっくりね。そんなにアナルセックスが良かったのでしょうか。
それからせっかくステイツマンを登場させておいて見せ場があんまりなかったね(ウィスキー以外は)。
活躍させないならあの役はハル・ベリーじゃなくてもいいのではないでしょうか。ハル・ベリーの無駄使い。
テキーラのチャニング・テイタムは初登場シーンから高い戦闘力を見せ付けておきながら中盤でヤク中になってあっさり退場してたし。
ただテキーラのラストシーンね。キングスマンでスーツを見立ててたところを見ると、次回作への布石なのでしょうか。マーリンがいないキングスマンなんて屁だよ!
そのあたりのキャラを見比べると、前回かなり小物臭を撒き散らして退場したチャールズ良かったよね。冒頭から腕がサイボーグ化してクズに落ちぶれた感がたまりません。
キングスマンのときは良いところのボンボンで、お決まりの「パパにいいつけてやる!」といったセリフを吐いていましたが、今回はどこからどう観てもチンピラに格下げしまくりです。
逆にそのあたりの描写がしっかり表現されていて良かったと思います。
エグジーとの再会シーンでは「なんでお前が紳士で、俺が平民なんだよ」と毒づいていましたが、人を見下して生きてきたポジションの人間が見下される側に回るというシチュエーションは観ていてなんと清々しいのでしょう。
ただ、やっぱり小物臭はするんだよね。本作ではポピーと仲良さそうにしてたので組織の中でも上位に位置しているとは思うのですが、なんとなく主人公のライバル的なポジションとしては弱いかなという印象。
それにね、ラストのバトルではロボット相手に戦うハリーがちょっと物足りません。やっぱり人間相手にバトルをかましてほしいのですよ!
その点、今回はエルトンの一人勝ちではないでしょうか。エグジーたちがポピーランドに乗り込んできたときの、ハイテンションで歌う「ウエンズディ♪ウエ~ンズディ♪ウエンズディ♪」は素敵過ぎ。
さらにエルトンはアクションもこなします。高いヒールの靴で助走をつけてポピーの手下に蹴りを入れています。あのシーンはカッコ良かったね。さらにロボット犬に襲われているハリーを助けてあげたりしていました。
そしてハリーはエルトンにコンサートのチケット2枚欲しいって頼んでましたが、やっぱりエグジーを誘うのでしょうか? なんだかんだで仲良しね。
記憶が戻って立派になったエグジーを見たハリーは、どんな気持ちだったのかな。やっぱりちょっとは悔しかったはず。自分が見つけて育てたという自負は持ってるだろうし。
なのに(本調子じゃない)自分よりパワーも戦闘力も格段にアップしているのを目の当たりにしたら、器の小さい男なら卑屈になっているところです。
しかし、ハリーはエグジーに「(前作で)撃たれたとき、自分には何もなかった」といいます。
キングスマンとして生きてきて恋愛もしてこなかったし、家族も持たなかったハリーは後悔しかなかったそうです。悲しいね。だからエグジーの彼女を助けたいという気持ちを尊重してくれたんですね。
ハリーがね、映画の冒頭で彼女の王女からテーブルマナーを覚えておいたほうがいいよっていわれるんですが、それは教えてもらってたから大丈夫だよって返事するんです。本当に王族と食事するなんて思わなかったよと。
ハリーを思い出しながら悲しそうにしている表情を見ていたら、エグジーにとってハリーは自分を泥沼から救い出してくれた人であり、師匠でもあり父親のような存在だったのよね。
だから結婚式でちゃっかり父親のポジションにいたよね、ハリー。(花婿の付き沿いでエグジーの横にいた)
その前のシーンでおめかしたエグジーに「ボク、マヌケでしょ」と聞かれて「立派だ」って答えてたけど、正直けっこうマヌケでした。
エグジー役のタロン・エガートンって28歳だけど、すげー童顔だよね。王族の衣装着込んでたら仮装パーティのお坊ちゃんにしか見えない。
ただ王女の両親との会食シーンで着てたオレンジのスーツ、映画のポスターにもなってたね。あのオレンジのスーツはめっちゃ似合ってました。
あとは、大統領のフォックス補佐官役はエミリー・ワトソンね、「レッド・ドラゴン」で盲目の女性を演じていたあの人です。
「レッド・ドラゴン」はハンニバル・レクターが出てくる映画で、ジュリアン・ムーアもレクターが出てくる「ハンニバル」に出ています。何気にレクター繋がり。
なんとなく物足りない印象でしたが、映画のパート2ってだいたいこんな感じよね。でもエルトンは本当に良いポジションだったね。アクションも頑張ってたし。というわけで、本作はエルトンの一人勝ちです。